大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和31(オ)818 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人菅原秀男の上告理由第一、二点について

原審認定の事実関係、就中、本件土地については、当初昭和二八年七月頃、上告

人は代金二〇万円で買受の申入れをしたところ、被上告人は一坪当り四、〇〇〇円

(計二九万三千余円)を主張し交渉がまとまらず売買を断つた事実、上告人はさら

に訴外Dを通じ七月二〇日まで再考を求めたが、当時被上告人は不在のため、その

妻Eにおいて、被上告人に応諾の意思がない旨を右訴外人に告げたのみならず、そ

の後、被上告人も承諾の返答を与えなかつた事実、しかるに、その後僅か数日を経

た七月二四日に至り、所論Fが被上告人の代理人として、前記上告人の申込価格を

割る一八万五、〇〇〇円で本件売買契約を締結した事実等から考察すれば、本件売

買について、上告人がFにおいて売買締結の代理権を有するものと信じたのは、上

告人の過失といわざるを得ない。而してたとえ所論(第二点)の如く、FがGと称

し被上告人の代理人として金借や債務の支払延期に当つていた事実があつたとして

も、前記事実関係と対照すれば、未だ原審の結論を左右するに足りない。論旨引用

の判例は本件と事実関係を異にし適切でない。所論は、すべて採用し難い。

同第三点について

原審は、挙示の証拠により、被上告人はFに対し本件土地売却の代理権を与えた

事実のないことを適法に確定しているのであり、原判示事実によるも、到底所論の

如く、右売却の代理権の授与があつたものということを得ない。所論は独自の見解

で採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

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おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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